M.abscessus症とは
どうも
呼吸器の情熱です!NTMシリーズとしてM.abscessus症についてです。
M.abscessusは迅速発育菌で、増加中です。NTM症で3番目に多い。
3種類の亜種があり、治療反応性が異なります。
M.abscessus subsp. abscessus →治療反応性が乏しい
M.abscessus subsp. bolletii →
M.abscessus subsp. massiliense →治療反応性が良いときもある
獲得耐性や誘導耐性によりマクロライド耐性が生じる。
獲得耐性→23s rRNA rrl遺伝子の位置2058または2059位での点突然変異による耐性
M.abscessusと判明したら
CAMが入って3日目と14回目の2回耐性検査を行うことが勧められている。
マクロライド耐性機序
erm(41)遺伝子が機能する→誘導耐性が起きる(Day3では感受性、Day14では耐性)
bolletii, abscessus T28 sequevar →予後が不良
erm(41)遺伝子が機能しない→誘導耐性が起きない
abscessus C28 sequevar, massiliense →予後が良好
28番目の塩基がT→Cで変異を生じている
M.abscessus症の治療について
難治性であり、RFP・EBは自然耐性がある。
IPM/CSとAMKがキードラッグ、マクロライド系も追加する(免疫賦活作用のため)
菌量が多ければAMKはできるだけ長めに投与。
AMK 400-500mg 24時間ごと
IPM/CS 0.5-1g 6-8時間ごと
CAM 600-800mg/日 or AZM 250-500mg/日
を2~4か月間(1~3か月間)
その後、STFX or MFLXやFRPMの内服の併用に移行。IPM/CSは終了。
AMK点滴週3回 (週3回投与の場合、最高血中濃度65~85mg/Lで至適投与量を目指す)
STFX 50mg 2-4錠分1 or MFLX 400mg 1錠分1
FRPM 200mg 3錠分3
外来で週3回きてもらい、合計6か月
排菌陰性化達成率 50-70%
早期限局性なら手術も考慮する。
クロファジミンも治療に使ってもよいのではないかと2020年のATS/ERS/ESCMID/IDSA Clinical Practice guidelineに記載がある。
治療期間
菌陰性化達成後、12~15か月間治療を継続する。
まとめ
M.abscessus症は難治性であり、外来での薬物治療の継続が問題になります。
まだ治療方針も決まっていないので、また勉強したら追記します!
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