結核の診断まで

結核とは

どうも
呼吸器の情熱です!今回は結核を2部制で勉強していきます。
日々勉強していきましょう。

結核とは世界3大感染症の一つで、ヒトの肺に生息するのに適した性質を有する。
mycobacterium tuberculosis(ヒト型結核菌)
2類感染症である。

mycobacterium bovis(ウシ型結核菌)を弱毒化したのがBCGとされる。
汚染された牛乳、乳製品の摂取で感染する。

結核の伝播様式

空気感染(飛沫核感染)によってのみ伝播する。
発病した人が咳をしたときに出てくるしぶき(飛沫核)の中の菌が空気中を漂い、
それを大量に深く吸い込んだ人にのみ伝播する。

体内では
リンパ行性に移動→肺外結核と呼ばれる。
頸や腋窩のリンパ節、胸膜、脳、骨、腎臓など

血行性に移動→粟粒結核

結核の症状について

2週間以上続く咳嗽、痰、血痰、胸痛、呼吸困難などの呼吸器症状
発熱、冷汗、倦怠感、体重減少などの全身症状
を訴えることがある。

緩徐に進行するため、無症状または軽微な症状であることも多く、
軽症例の多くは健診で発見されるため、症状出現時は比較的進行している。
症状は多彩。

結核の予後

重症化すると死に至る可能性のある病気。
治療終了後も破壊された肺にNTMやアスペルギルス、緑膿菌などの二次感染を生じることに
注意する。

海外から輸入される結核菌は
多剤耐性結核であることが多いため、難治性である。

多剤耐性結核…INHとRFPの両者に耐性を有する結核菌のこと。MDR-TBという。
★インド、ロシア、中国に行っていないかは問診で確認する。

結核の感染様式

飛沫核感染で、結核菌が肺胞まで到達すると
肺胞マクロファージにより貪食されることで殺菌され、ほとんどは自然治癒するが
約半数が感染しそのうち10%が発病する。

結核菌が細胞内で増殖し自然治癒しない → 一次結核
自然治癒した場合でも結核菌が病巣に潜在し宿主の免疫が低下した際に
菌が活動を再開し内因性に発病する → 二次結核

結核の画像所見

二次結核の好発部位はS1, S2, S1+2, S6
理由としては酸素分圧が高く、リンパ流による排除機構が乏しいためである。

粒状影→経気道的、微細なのがTree-in-budであり活動性を考慮
結節影→周囲に約80%の散布巣を認め、時に石灰化を伴う。必ずしも陳旧性とは言えない。
空洞影

非典型例では、気管支透亮像を伴う浸潤影

上記のように画像所見が多彩なときに結核を疑う。
鑑別としてNTM、肺化膿症、アスペルギルス症、多発血管炎性肉芽腫症(GPA)、
サルコイドーシス、肺癌など。

結核の診断

早朝痰で3連痰が重要(3日間にわけて採取)
喀痰が出にくい場合は、3%食塩水を吸入。

塗抹検査 →抗酸性染色し顕微鏡で結核菌を直接確認する。
      生菌と死菌の区別つかない。染色法で蛍光法とZ-N法を使用
塗抹標本 →直接塗抹と集菌塗抹
      検体を直接塗る方法と、均等化し集菌した検体を塗る
核酸増幅法(PCR法)→結核菌かNTMの区別はできる。
           死菌でも陽性になるため治療判定には有用ではない。
★培養検査★ →唯一、生菌かどうかわかる検査
        結核菌の発育が遅いため、結果が出るのに数日~数週間かかる。

★薬剤感受性試験★ →感受性を確かめ、耐性かどうかの確認をする。

液体培地と固形培地の違い
 液体培地 →MGIT培地であり、感度・迅速性に優れる。
       コロニー形成されないため定量化はできない
       陰性判定日数は6週間
 固形培地 →小川培地であり、感度・迅速性は劣る。
       コロニーの観察ができ、菌量の定量化はできる。
       陰性判定日数は8週間

まとめ

結核菌の疫学や診断まで勉強しました。
次回は結核菌の治療について勉強したいと思います。
多剤耐性菌はお目にかかっていませんが、海外渡航歴の確認は必要ですね。

塗抹をみて排菌しているかどうか確認していますが、生菌と死菌の区別はつかないため
培養検査はとても重要であると思います。

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