アミオダロン肺炎とは
どうも
呼吸器の情熱です!今日も張り切っていきましょう!
今回はアミオダロンに伴う肺炎に関してです。
アミオダロンとは心停止時や不整脈などで使用される薬剤で、間質性肺炎の報告があります。
今回はどんな特徴なのか勉強していきたいと思います。
発症頻度と発症時期
アミオダロン内服患者の5%が発症すると言われており、その中でも死亡する確率は5~10%とされている。早期診断が大切である。
投与開始6日~121か月に発症すると言われていて、12~60か月後にかけて時間依存性に増加する。
最もリスクが高いのは投与開始後6~12か月とされ、積算量が101~150gになると発症頻度が高くなるという報告がある。
肺合併症の危険因子
1.高用量(400㎎/日以上)の維持量
2.50歳以上
3.治療前の%DLCoが80%未満
4.アミオダロンの誘導体の血中濃度が高値
の4項目とされている。
臨床的診断
・新たに出現または増悪する自覚症状または他覚所見
・胸部画像検査上新たに出現した異常陰影
・Total Lung capacity 15%以上またはDLCo 20%以上の減少
・薬剤中止による呼吸器症状/徴候の改善(ステロイド使用の有無に関わらず)
・肺細胞内のphospholipidosis
・肺胞洗浄液中のCD8リンパ球の上昇
・肺組織にてびまん性肺胞障害、器質化肺炎、間質性肺炎、線維化などの所見
ー上記のうち3項目以上を満たすこと。
心不全急性増悪、感染症、悪性腫瘍の否定も必要とされる。
BALF, TBLB特徴
マクロファージへの空胞やリン脂質の沈着
CD8リンパ球の増加
→肺組織学的変化として特徴的だが、臨床的な肺合併症がなくても認められるため、診断に必ずしも
有用ではない。
検査
呼吸機能検査→DLCoの低下
血液検査→KL-6の高値、アミオダロン血中濃度(外注)
DLSTやパッチテストも補助的な役割を担う
もちろん病歴やアミオダロン開始してからどれくらい経っているかも重要!
画像病型や画像特徴
Chronic IP型(慢性間質性肺炎)
BOOP型(器質化肺炎)
ARDS型
孤立腫瘤状陰影型
慢性や亜急性タイプは上記2つで、急性や劇症型は下記2つの画像タイプを取る。
画像的な特徴としてはCT値の上昇である!
肺病変ではCT値が70HU以上である。
肺病変においてヨードを含んだアミオダロンとその代謝産物がマクロファージや肺胞Ⅱ型上皮細胞に
分布することでCT値が上昇するとされている。肺での半減期の延長が関連している。
肺病変だけではなく、甲状腺、肝臓、脾臓、心筋、リンパ節でもCT値の上昇が確認できる。
治療
①アミオダロンの中止→これで良くなることもある。
②ステロイドによる治療
アミオダロンの半減期が長いため治療に難渋することがある。
まとめ
アミオダロン肺炎の特徴は画像(CT値の上昇)で見分ける方法もあるんですね。知らなかったです。
治療は単純そうですが、診断に至るまでは難しそうです。
また一緒に勉強しましょう!
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