抗ARS抗体間質性肺炎と抗MDA5抗体間質性肺炎の違い

抗ARS抗体陽性の間質性肺炎の特徴とは

はじめまして!
呼吸器の情熱です。
今日から日々学んだことをまとめていきたいと思います。
抗ARS抗体陽性間質性肺炎と抗MDA5抗体陽性間質性肺炎についてです。

間質性肺炎のスクリーニングとして膠原病関連を調べることがあると思います。
私だけかもしれませんが膠原病は苦手意識がどうしてもありますので、一緒に学びましょう!

今日のテーマは多発性筋炎・皮膚筋炎の中に含まれているタイプのARSやMDA5です。
皮膚筋炎の定義はひとまず無視します(今後勉強したらブログに上げます)

抗ARS抗体陽性症例で70‐90%で間質性肺疾患(ILD)の併発を認める
経過によっても異なるが慢性発症(3か月以上から)が多いとされているが、亜急性発症もある。

臨床症状としては
発熱、多関節炎、レイノー現象、機械工の手
などが挙げられる。

抗ARS抗体陽性症例では、間質性肺炎が先行する症例がある(抗ARS抗体症候群)

画像パターンとしては
亜急性…NSIP+OP
慢性…NSIP, UIP

古典的なPM/DMの形を取ることが多い。筋症状が出現することがある。

抗MDA5抗体陽性間質性肺炎の特徴とは

抗MDA5抗体陽性症例では80‐90%でILDの併発を認める。
臨床経過としては
数日発症の急速進行性、数日から数週間の経過で悪化する急性発症、亜急性発症の経過が多い。

臨床症状としては
発熱、多関節炎、皮膚潰瘍、手掌紅斑
などが挙げられる。

無筋症性皮膚筋炎(特徴的な皮膚症状のみで臨床的に筋症状を認めない:CADM)
であることが多い。

画像パターンとしては
急性(急速進行性)…DAD、NSIP+OP
亜急性…NSIP+OP

治療

膠原病に伴う間質性肺疾患の診断・治療方針2020より上記引用

慢性非進行性ILD
経過観察になることも

慢性進行性ILD
PSL単独 or PSL+免疫抑制薬

急速進行性ILD(ほぼ抗MDA5抗体陽性)
高用量ステロイド(パルス療法を含む)に免疫抑制薬多剤併用(三者併用療法
①シクロホスファミド点滴静注(IVCY)
②カルシニューリン阻害薬(TAC:タクロリムス or CyA:シクロスポリンA)

まとめ

臨床症状としては大きく変わりませんが、発症様式が異なるようです。
治療方針も臨床経過やどの抗体により治療が少し異なります。

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