どうも
呼吸器の情熱です!少しずつ体調も取り戻してきたので、
今日も勉強していきたいと思います。
今回はテーマが変わり
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS、以下SASと略す)
に関して学習したいと思います。
今回は総論を勉強しつつ、各論へと移行します。
2020年のSASガイドラインを参考に作成しています。
SASとは
睡眠関連呼吸障害(SRBD)に含まれる病態の一つであり、死に関連することもある。
SASの頻度は、SRBDをAHI≧15で定義すると、有病率は
50歳代の女性で10%弱、男性で10~20%弱程度とされている。
大まかな分類としては2つある。
①OSA(Obstructive sleep apnea)
閉塞性睡眠時無呼吸と呼ばれる。
無呼吸中にも呼吸努力を伴い、通常いびきが存在する。
気道、主に咽頭が虚脱した場合に無呼吸となり、
不完全に虚脱した場合は低呼吸となる。
②CSA(central sleep apnea)
中枢性睡眠時無呼吸と呼ばれる。
呼吸努力を伴わないもの。
心不全、脳卒中疾患患者で見られることが多いチェーンストークス呼吸
(Cheyne-Stokes breathing:CSB)はCSAの一種である。
また、SASを学ぶ上では用語の理解が必要。
無呼吸
睡眠中の10秒以上の気流停止
低呼吸
10秒以上の30%以上の気流の低下
基準値に対して3%以上のSpO2の低下or覚醒反応を伴う場合
4%のSpO2の低下が伴う場合も低呼吸と判定される。
呼吸努力関連覚醒反応
respiratory effort related arousal:RERA
10秒以上継続する呼吸努力の後に覚醒を伴った場合
AHI
apnea hypopnea indexの略であり、無呼吸低呼吸指数
睡眠時間1時間あたりの無呼吸と低呼吸の総数のこと。
REI
Respiratory event index
簡易モニターの測定1時間あたりの睡眠呼吸障害の数
呼吸障害指数
RDI
Respiratory disturbance index
睡眠1時間あたりの無呼吸+低呼吸+RERAの数とされる。
OSASをSASと表記されていることが多く、注意が必要。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の診断基準
AHI≧5+症状〇
AHI≧5+症状×+併存疾患
AHI≧15
症状がなくても併存疾患があればOSASの診断基準に当てはまる。
*併存疾患
高血圧、気分障害、認知機能障害、冠動脈疾患、脳卒中、うっ血性心不全、
心房細動、2型糖尿病
以下、診断基準である。SAS診療ガイドライン2020より引用
(AとB)またはCで基準を満たす。
A.以下の最低一つが存在する。
1.患者は眠気、非回復性の睡眠、疲労感、あるいは不眠の症状を訴える。
2.患者は呼吸停止、喘ぎ、あるいは窒息感とともに目覚める。
3.ベッドパートナーや他の観察者が患者の睡眠中に習慣性いびき、呼吸の中断、
あるいは両方を報告する。
4.患者が高血圧、2型糖尿病、冠動脈疾患など診断されている。
B.PSGやOCST(検査施設外睡眠検査)で以下を認める。
1.PSGでは1時間あたり、OCSTでは記録時間1時間あたり、5回以上の閉塞性優位な
呼吸イベントを認める(閉塞性or混合性無呼吸、低呼吸、RERA)
C.PSGやOCSTで以下を認める。
Bで記載と同様で15回以上の呼吸イベントを認める。
*OCSTでは脳波を測定できないため、PSGと比較して1時間あたりの呼吸イベントを過小評価
する。
OSASの重症度
5≦AHI<15 軽症
15≦AHI<30 中等症
AHI≧30 重症
とされている。
中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)の診断基準
CSASごとに診断基準があるが、CSBを伴った診断基準は以下である。
ポイントは
中枢性無呼吸or中枢性低呼吸が睡眠1時間あたり5回以上
中枢性の無呼吸低呼吸が全体の睡眠時無呼吸低呼吸の50%を超えている
である。
(AあるいはB)+C+Dで基準を満たす。
A.以下の最低一つが存在する。
1.眠気
2.入眠や睡眠維持の困難、頻回の中途覚醒、あるいは非回復性の睡眠
3.呼吸困難による覚醒
4.いびき
5.無呼吸の観察
B.心房細動や粗動、うっ血性心不全、あるいは神経疾患が存在する。
C.PSGで以下のすべてが認められる。
1.睡眠1時間あたり5回以上の中枢性無呼吸or中枢性低呼吸
2.中枢性無呼吸と中枢性低呼吸の総数が無呼吸と低呼吸の総数のうち50%以上を占める。
3.換気パターンがCSBの基準を満たす。
D.この障害は、その他の睡眠障害、薬物(オピオイドなど)や物質の使用では良く説明
できない。
SASの詳細な分類
OSAS群、CSAS群、睡眠関連低換気障害群(SRHD)、睡眠関連低酸素血症、孤発症状と正常範囲の異型(いびきとカタスレニア)である。興味があればSASの診療ガイドライン2020を読んでください。
まとめ
今回は簡単な総論についてまとめてみました。
次回はOSASの病態や治療などについて学習していきたいと思います。
また次回~
ご不明な点や間違っている点があればご指摘ください。
いつでも受け付けています。
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