前回の続き
どうも
呼吸器の情熱です!花粉がつらい時期になりました。
くしゃみしながら勉強頑張りましょう。
前回に引き続き、肺外結核についてですが
結核性髄膜炎と腸結核を学ぼうと思います。
粟粒結核はまた別に設けて書きたいと思います。
結核性髄膜炎の診断
症状→髄膜炎症状(頭痛・嘔吐・発熱・項部硬直・意識障害など)
緩徐に発症するが、長期に持続する。
診断としては細菌学的に
髄液の培養
を採取する。核酸増幅法では検査陽性率は50~80%。
補助的に
髄液ADA:カットオフ 9~10 U/L
画像所見では
頭部CT:水頭症所見(脳室の拡大など)や脳底部髄膜の造影効果
診断基準としては
上記症状1つ以上
+
①髄液の塗抹での抗酸菌陽性
②培養での結核菌同定
③PCRによる結核菌遺伝子の検出
のいずれかが陽性の場合、確定診断となる
結核性髄膜炎の経過と予後
治療が難渋する傾向があり、Paradoxical Responseを認める場合がある。
医療資源が整った国でも致死率は14~28%程度。→致死率は割と高い印象。
神経学的後遺症を残すことも多い。
結核性髄膜炎の治療
基本的には化学療法で
2HREZ+4HR
HR維持期を3か月延長しても良い。
副腎皮質ステロイドの併用が推奨されており、デキサメタゾン6~8週間で漸減終了する。
水頭症がある場合はドレナージや脳室腹腔内シャントを考慮する。
腸結核について
腸結核は肺結核の有無によって原発性と続発性に分類される。
最近は原発性も増加傾向。
管内性からの感染経路が最も多い。
結核菌が腸管内に侵入すると
Peyer板や孤立リンパ小節を介して腸管粘膜内のリンパ濾胞に侵入し
結核結節を形成する。
結核結節の内部が乾酪壊死に至ると、壊死物質が粘膜内から腸管腔内に
露出し、びらんや小潰瘍を形成する。
リンパ管は腸管の短軸方向に走行しているため
びらんや小潰瘍は輪状に配列し、それぞれが癒合して
本症に特徴的な輪状潰瘍や帯状潰瘍が形成される。
腸結核の診断
①粘膜層以外の腸壁、または腸間膜や所属リンパ節組織での培養による結核菌の証明
②病変部の病理組織学的検索による結核菌の証明
③病変部の病理組織学的検索による乾酪壊死を伴った肉芽腫の証明
④腸間膜リンパ節での結核菌の証明と手術所見での典型的肉眼所見
のうち1項目以上満たせば確定診断となる。
腸結核の治療
抗結核療法による内科的治療である。
2HREZ+4HR
穿孔や腸閉塞などの合併症を認めた場合は外科的治療も選択肢に挙がる。
まとめ
基本はやはり化学療法であるが、全身症状が出現したときは
結核を必ず疑わないといけませんね。
次回は粟粒結核です~
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